【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「本当に……。聖良のお腹に、俺たちの赤ちゃんがいるのか?」
棗さんの表情は驚きを隠せないという表情だった。少しばかり目を大きくして、動揺しているようだった。
「……はい。病院に行ったので、間違いありません。わたしのお腹の中には、棗さんとわたしの赤ちゃんがいるんです」
わたしはお腹に手を当てて、さすりながらそう言った。その瞬間、棗さんはわたしを抱きしめてくれた。
「え……?棗、さん……?」
「信じられない……。すごく嬉しいよ」
「え?本当に……?」
「当たり前だろ?だって俺たちに、子供が生まれるんだぞ?……嬉しいに決まってるだろ」
棗さんの抱きしめる力が強くなったのが分かった。だからわたしも、棗さんのことを抱きしめ返した。
「棗さん……。良かった……」
そう思ってもらえて、わたしはやっぱり幸せなんだなと思った。棗さんという大切な人の赤ちゃんが生めるって、とても偉大なことだと思った。