【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「ただいま」
溜まった仕事を片付けて家に帰ったのは10時半過ぎだった。玄関を開けて家の中に入ると、リビングやキッチンの電気は消えていた。寝室へ行くと、聖良は暗い部屋でベッドに横たわって眠っていた。
ベッドの近づき、眠っている聖良の髪の毛を撫でた。聖良、大丈夫だったかな……。朝から会えなかったため、寂しさと心配が重なってしまう。
「ん……。棗……さん……」
聖良が一瞬、俺の名前を呼んでくれたから。てっきり目を覚ましたのかと思っていた。……だけど顔をよく見ると寝ているようだったから、寝言だったようだ。
「……聖良、何もしてやれなくてごめんな」
聖良の頭を撫でてながらそう言うと、聖良にもう一度布団をかけてあげた。そして寝室を出てリビングでくつろぐことにした。
「はぁ……今日も疲れたな」
今日は取引先の社長と会食。そしてリモートでの会議や新しくリニューアルするホテルの下見など移動中が多い日だったため、なんだか疲れてしまった。