【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
「……ええ、幸せになりなさい。これ以上ないってくらいに、幸せになりなさい。離れて暮らしていても、あなたはずっとわたしの息子よ。世界でたった一人の、大切な息子よ。……あなたが幸せになるのを、わたしはいつだって待ち望んでいるわ。あなたに子供が生まれるって聞いた時、母さんは本当に嬉しかったわ。……あなたもついに親になる日が来たんだなと思うと、感慨深いわ」
棗さんのお母さんは、目に涙を浮かべながら優しくそう言って笑った。……親はいつまで経っても、親なんだな。棗さんのお母さんを見ていたら、そう思った。
たとえ離れて暮らしていても、別の人生を送っていたとしても。……いつまで経っても棗さんのお母さんは、ずっと棗さんのお母さんなんだなって。棗さんのお母さんの言葉を聞いていたら、不思議とそう思った。棗さんのお母さんは、きっと棗さんのことが誰よりも大切なんだなって。そして誰よりも愛しているんだな。
こんなにも愛されている棗さんは、幸せ者なんだな。素敵な親子だな……。