【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜
棗さんのお母さんは、ニコリとわらうとわたしたちの前に座った。
「……棗、元気にしてた?」
「ああ。……母さんは?」
「わたしも元気にしてたわよ。……わたしはあなたたちと別れた後、別の男性と再婚したの。子供もいるし、今でも旦那とうまくやっているわ。子供たちはもう15歳になるわ。双子なのよ」
棗のお母さんはそう言うと、アイスコーヒーを飲み始めた。そんな棗さんは、お母さんを見ながら「そうなのか……。母さんが幸せそうで、本当に良かったよ」と言った。
「聖良さん、棗のこと。これからもよろしくお願いしますね?」
「……は、はい。こちらこそ、よろしくお願い致します」
そう口にしたのはいいけど、なぜだか緊張してしまう。
「後、聖良さん。ご懐妊、おめでとうございます」
「……ありがとうございます」
「母さん。俺は母さんにも負けないくらい、幸せになるつもりだ。……いや、俺も母さんと同じように。俺もこれ以上ないってくらい幸せになるよ」