偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─

冬哉さんはうっすらと微笑みながら顔を落とし、涙でグシャグシャの私の顔を撫でながら唇を重ねる。乱れた私の髪を分ける手つきは、先ほどまでのひっ迫した選択とはアンバランスに優しく、まるで契約完了の合図のようだ。

「あっ……」

緩いカーディガンのボタンがスルンスルンと外され、簡単にブラウスがむき出しになった。

冬哉さんの唇は、唇から頬、耳、首へと移動する。

「と、冬哉さんっ……」

さっき自分が同意したのだとわかっているけど、まだこの状況が現実だと思えない。甘美な感覚に頭がくらくらしながらも、混乱で身が固くなった。

「凪紗の肌は、簡単に赤くなるんだな」

彼は口をつけていた私の鎖骨をなぞりながら、そうつぶやいた。どういう意味かわからず「え?」と涙声で聞き返したが、フッと流されるだけだった。
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