偽装懐妊 ─なにがあっても、愛してる─
「八雲……貴様っ……」
父と母の顔は困惑や恐怖に変わり、おじい様は、白髪がメラメラとそそり立つような空気を纏っている。
話の途中、繋いでいた冬哉さんの手が私の腰を抱き直し、思いきり引き寄せた。
「このままだと、アンタの大事な孫娘と、これから生まれる曾孫は、俺がもらい受けることになる」
すぐそばにある綺麗な顔。こんなに冷たく挑発的な目をした冬哉さんを、私は知らない。
グッと強い力で抱き寄せられ、私はさらに冬哉さんの胸のなかに収まった。
おじい様が掴みかかる勢いで「ふざけるな!」と叫び一歩踏み出したが、足が悪くガクンとつまずき倒れ込む。父と母が「お父さん!」とそばへ駆け寄った。
私も心配でつい前のめりになったが、冬哉さんの腕がそれを許さず、代わりに彼は、倒れたおじい様へ、
「交換条件だ」
と、言葉を叩きつける。