政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 でも、いつまでも続いてほしいような気もした。秋瀬くんと企画について話し合う時間は刺激的で新鮮だったし、私の引き出しもずいぶん増えた。しばらく新規の案件には携わっていないものの、早く自分の中に生まれた新しいやり方やデザインを試したくて仕方がない。

 正面に座る秋瀬くんではなく、夜景を見ながら物思いにふけっていると、すっとメニューを差し出された。

「好きなの飲みな。奢ってやるから」

「わー、さすが旦那さま」

「棒読みすぎだろ」

 くっと秋瀬くんが喉を鳴らして笑ったのを、今は少しドキドキしながら見つめる。

 もともと顔のいい人だとは思っていた。いろいろと気に入らない部分が多かったために認めようとしなかっただけで。

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