政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「そこまでひどい評価だったのかよ」

 秋瀬くんもつられたように頬を緩めて、ふと視線を下げた。

「じゃあ、俺に秘密があるとしたら? たとえば、しろちゃんみたいに父親が社長とか」

 今日の秋瀬くんはなんだかおかしい。結構お酒を飲んでいたようだから、酔っているのかもしれない。

「それがどうかしたの?」

 私にはそれ以外に言う言葉がなかった。

「秋瀬くんは秋瀬くんなんだから、お父さんで態度を変えるのは違うよ。私にそう言ってくれたの、忘れた?」

 秋瀬くんが顔を上げて再び私を見つめる。なにも言わないまま、返答を悩むように黙り込んだ。しばらくして急にふっと吹き出し、笑顔を作る。

「うん、忘れてた」

「私は言われてうれしかったよ。だから秋瀬くんが忘れてても、私が覚えてるね」

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