政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「泰時にできるわけないでしょ。ただでさえずっと目の敵にしてるのに」

 美春ちゃん、と呼ばれていた秋瀬くんの母親が、そっぽを向いている泰時さんの袖を引っ張る。

「まさくんに負けたくなくて会社を立ち上げたんだもんね?」

「うるさい」

 泰時さんがまさかこんな人だったとは。

 この会が始まるまでの緊張感はどこへやら、なんだかほのぼのした空気が流れている。

 勝手に両親たちで納得しているようだけど、私と秋瀬くんはまったくついていけていない。

「お父さんはどこまで知ってたの?」

「秋瀬くんが泰時の息子で、私のファンだというところまでかな。あとは初めて会った場で、いきなり真白と結婚させてほしいって言うぐらい情熱的な人なんだなと思った」

「あれは、その」

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