政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
呆れた声は秋瀬くんのもの。どうやら秋瀬くんも私と同じく、お互いの両親が知り合いどころか友人関係にあったと知らなかったらしい。
まだ状況が飲み込めずにいる私へと、父は説明を始める。
「美春ちゃんから、秋瀬くんが私のファンだという話は聞いていてね。正親はずっと、どうやって私のもとで学ばせようか頭を抱えていたそうだ」
「まさか」
察したらしい秋瀬くんに向かって、父が頷く。
「イリスのスパイをしてこい、なんて理由を思い付くとは思わなかった」
「泰時くんって昔からそうよね。素直に『うちの息子をよろしく』って言ってくれたら、正親くんだってふたつ返事で聞いたのに」
母が父をそんなふうに呼んでいるのを初めて聞いた。学生時代の呼び方だと思うと、急に疎外感を覚える。
まだ状況が飲み込めずにいる私へと、父は説明を始める。
「美春ちゃんから、秋瀬くんが私のファンだという話は聞いていてね。正親はずっと、どうやって私のもとで学ばせようか頭を抱えていたそうだ」
「まさか」
察したらしい秋瀬くんに向かって、父が頷く。
「イリスのスパイをしてこい、なんて理由を思い付くとは思わなかった」
「泰時くんって昔からそうよね。素直に『うちの息子をよろしく』って言ってくれたら、正親くんだってふたつ返事で聞いたのに」
母が父をそんなふうに呼んでいるのを初めて聞いた。学生時代の呼び方だと思うと、急に疎外感を覚える。