政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「あの人はよくわからない人だから。面倒だっただろ。いつもああなんだ」

 首を横に振って答える。

「面白い人だと思ったよ。尊敬してた人があんな感じなんて、親近感湧くかも」

「あんなのを尊敬するのはやめておけよ。俺を尊敬した方がいい」

「それは嫌」

 きゅ、と握り返された手が温かい。最初はただ握るだけだったのが、いつの間にか指を絡め、手のひらを重ねての繋ぎ方に変わっていた。

「お父さんは最初からわかってたんだね、秋瀬くんはなにもしてないって。なのに私、本気で心配しちゃった」

「俺も会議室で問い詰められたとき、心臓が止まるかと思った」

「一応、後ろ暗いあれこれはあったんだもんね? 経歴詐称とか」

「犯罪じゃないからセーフということで」

「そういう問題かなあ」

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