政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 照れくささと、うれしさを胸に、みんなの前でくっついてこようとする秋瀬くんの足を踏んでおいた。



 葉鳥さんが予約を取った居酒屋は、私のお気に入りのりんごサワーがあるあの店だった。ほくほくしながら、今日は一杯だけにしようと決めて同じものを頼む。

 おいしい食事と会話を楽しんでいたけれど、不意に三つ離れた席に座っていた秋瀬くんが私の隣にやってきた。

「どうしたの?」

「酔った」

 そう言うと、秋瀬くんは私の肩に頭を乗せてきた。身長差が三十センチあるせいで、私たちは座高にも差がある。首が痛いのではという心配もあってどけようとした手を掴まれた。

「甘やかして」

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