政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 それだけなら百歩、いや千歩譲って許すとしよう。こんな相手が現れると予想していなかったとはいえ、結婚自体は受け入れていたのだから。

 でも、だ。その日のうちに秋瀬くんの住むマンションへ引っ越しさせられるというのは、いったいどういうことなのか。

「はい。これ、結婚指輪」

 ソファに座らされてなお呆然としている私に、秋瀬くんが指輪をはめてくる。左手の薬指にはまるプラチナのリング。既に秋瀬くんの左手にも対になるものが輝いていた。

「つけてくれた方が俺は喜ぶけど、邪魔ならしまっておきな」

 ゆるゆると頭を動かして結婚指輪を見てから、連れてこられたリビングを見回した。

 たしか、父が2LDKのマンションだと言っていたはずだ。リビングは全部で二十畳あるとも言っていた気がする。

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