政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
「外に着ていくのばっかりじゃなくて、俺に見せるための服を買わないか? 下着とかおすすめ」

「そのワンピース、俺の好みだから着てよ。買うからさ」

 ここにいないのに、秋瀬くんの声が頭の中に浮かぶ。

 なにかとやかましい秋瀬くんは悔しいことにセンスがよくて、最終的には私もどういう服がいいと思うかを相談する羽目になった。それもあって、結婚してからは私服を褒められる回数が増えた。

 そういえば、と自室へ向かう。

 クローゼットの奥に隠していた袋を引っ張り出し、中身を確認した。

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