政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 次いで、私の唇を柔らかいぬくもりが覆う。目を開けていたせいで、秋瀬くんが私になにをしたのかまじまじと見てしまった。

「な、な、な……!?」

 ずざざっと勢いよく後ろに飛びのいてから、キスをされた唇を手で隠す。

 誰が触れていいと言ったのか、どうして突然キスしたのか。まったくわからないけれど、やっぱり秋瀬くんは私の天敵に違いない。

「勝手にキスしないで!」

「夫婦なんだからいいだろ」

「よくないよ、全然よくない!」

 顔が熱い。熱すぎて、今なら額の上で目玉焼きが焼けそうだ。

「悪いけど、俺は形だけで終わらせるつもりなんてないんだよ。ちゃんと夫婦になりたい」

 手を引かれて心臓が止まりそうになった私を、秋瀬くんはそのまま軽々と抱き上げた。

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