政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 アイスを奪うのも忘れて本棚の前に向かう。床から、私が背伸びしてギリギリ届く高さの棚まで、本当にたくさんの本があった。資料本に写真集。色の辞典も一冊ではなく複数本置いてある。

 その中の一冊に目が留まった。同じ列の本には背表紙に同じ名前が記されている。

「お父さんのだ」

 その本たちは、私の父が出したものだった。入門編から上級者向けのより高度な内容を記したものまで、すべて揃っている。

 それだけでなく、父の作品をまとめた本もあった。

「秋瀬くんって、もしかしてお父さんのファン?」

「まあ、似たようなもんかな」

< 76 / 342 >

この作品をシェア

pagetop