夢物語でも語らせて

 「佐倉ぁぁあああ!!」

 肩が、ビクンッとして、目が勢いよく開いた。

 「佐倉!夏休み前だからって浮かれてんじゃないのかあ!?」

 に、西田の授業中だったんだ!

 いつもなら、あずさ起こしてくれるのに…

 「すみません…。」と顔をあげた瞬間。

 突然、なにかの視線を感じる。

 あずさ……ではなく、
 
 …南川…さん?
 
 口角を上げて笑いかけてみると、ふいっと目線をそらされた。

 どうして私なんか見てたんだろ…。

 
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