今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
「え? 私、なんで!」
慌ててその腕から逃れようと、体を捩らせる。すんなりと地面に下ろされたが、足を着いた陽茉莉はどきっとした。
きちんと立ったつもりなのに、足下がぐらつく。
「大丈夫か? 酔ってるんだから、気をつけろ。今、タクシー拾うから」
体を支えるように片腕を力強く掴まれた。相澤は流しのタクシーを探し、幹線道路の車の流れを視線で追っている。
「この時間、飲んだ帰りが多くでみんな乗ってるな……」
何台かのタクシーが通りかかったが、どれも乗客がいた。陽茉莉はその横で、めまぐるしく思考を回転させる。
(なんでこんなことになってるの!?)