今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)

 詩乃がぴしゃりと否定する。

「新山ちゃん。それ確認するの、もう五回目だから」

 高塔がからかうように会話に割り込んでくる。

「それにしても〝清廉潔白な間柄〟って……」

  高塔は堪えきれない様子で、肩を揺らしてくくっと笑う。
 陽茉莉はそんな高塔をじとっ見た。

「なんか、高塔副課長は会社とイメージが全然違います」
「えー。だって、休日まであんなに堅苦しくしていたら疲れちゃうし」

 心底面倒くさいと言いたげに、高塔はひらひらと片手を振る。その姿を見て、陽茉莉は確信した。
 この人は相澤と同類──猫かぶりである。間違いない。
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