今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)

 眠っていると思っていたのに、起きていた?
 眠っている男性の体を勝手に撫で回して喜んでいるなんて、完全に痴女じゃないか!

「すいません、つい……」

 陽茉莉はそれ以上答えることができず、視線を泳がせる。きっと、顔は真っ赤になっているだろう。

「どこ行ってたの?」
「……ちょっとしたお出かけです」
「ふーん。ちょっとしたお出かけね」

 なぜが相澤の瞳が不機嫌そうに眇められた気がした。

「すげえ、臭い」
「えっ?」

 もう涼しい季節だしそんなに汗もかいていないはずなのに、そんなに汗臭かっただろうか。もしくは、お酒の匂い?
 陽茉莉は狼狽えて相澤から逃れようとしたが、がっしりと捕らえられてそれは叶わなかった。
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