今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
「それだと部屋に着いたときにアメニティが揃っていないことになるから、お客様によっては不快に思わないかな? アメニティは季節に合わせた花の香りのものをデフォルトにしておいて、バスグッズは好みのものを用意するのはどう? その選択肢に、昼間に言っていた花びらのバブルバスも入れるとか」
「それ、いいですね」
「あと、アメニティの見た目なんだが、ビニール包装じゃなくてミニ容器入りのほうがちょっと高級感が出るかと思ったんだ。単価が上がるが、これだけの部屋数だから値上げ幅はかなり抑えられるんじゃないかと。まあ、これに関しては生産管理部に相談しないとなんとも言えないが」
「容器入り?」
「化粧品のサンプルみたいなやつだよ。ちょっと洒落た小さなプラスチック容器とかさ。例えば──」
陽茉莉が首を傾げると、相澤は説明しながら、とある高級ホテルチェーンの名前を挙げる。そこでは全室に高級ブランドのアメニティを使用しており、それはブランドロゴ入り透明のプラスチック容器に入っているのだと言う。