今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
どちらともなくグラスを上げ、カツンと小気味よい音が鳴った。
そのままグラスを口元に運ぶと、オレンジジュースの甘酸っぱさに交じってシュワシュワとした口当たりがした。
ゆったりとしたときが流れる。
陽茉莉はちらりと相澤を窺い見る。パチッと目が合い、妙な気恥ずかしさを感じて咄嗟に目を逸らしてしまった。そして目に入ったのは、煌めく東京の夜景だ。
(綺麗……。相澤係長、誰かとこんなところに来たりするのかな?)
今現在、相澤に恋人がいないことはわかっている。でも、これだけ見た目もよく仕事もできる男性であれば、次々と魅力的な女性が言い寄ってくるだろう。
そう思ったら、胸の奥がチクンと痛むのを感じた。