今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
(私の持っている、お守り?)
それは、陽茉莉が毎日持ち歩いているお守りにとてもよく似ていた。いや、似ていると言うよりは、同じに見えた。少しだけ模様の出方が違うのは、元の生地を切り取った部分の差からだろう。
(なんで、これがこんなところに?)
そのお守りを見つめたまま動けない陽茉莉の横から、悠翔がひょいっとそれを手に取った。
「あ、これ。これね、僕のお母さんが作ったんだよ」
「悠翔君のお母さんが?」
「うん。邪鬼に襲われないようにするお守りなんだ」
悠翔はそれを陽茉莉に見せつけるように持ち上げると、屈託なく笑った。
「邪鬼に襲われないようにするお守り……。これって、どこかで売っていたりする?」
「ううん。売ってないよ。お母さんが作って、自分で持ってた」
「お母さんが作って、自分で……」