今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
「高塔副課長! 相澤係長は?」
「礼也はあっちにいる。癒札を使ったら、新山ちゃんと悠翔はすぐに帰ったほうがいい。今、ちょっと厄介な状況なんだ」
高塔は、固い表情のまま、お寺の中の墓地の一角を指さす。陽茉莉はそちらに目を懲らした。
大きな木の根元に白い大きな岩のようなものがぼんやり見えて、すぐにそっちに駆け寄った。
「礼也さん!」
オオカミ姿の相澤は、木の下でぐったりとしていた。それでも陽茉莉の声を聞いてつと顔を上げると。すっくと立ち上がる。
けれど、相当に消耗しているのか、その体がふらりとよろめく。
「礼也さん!」
陽茉莉は慌ててその体を支えようとした。けれど、オオカミ姿の相澤の体は大きく、支えきれない。