今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)

「うわっ!」

 まさか四枚も持っていて、しかもそれをまとめて投げつけてくるとは思っていなかったようで、男は苦しげに顔を覆った。

(今だ!)

 完全に祓うことはきっとできない。けれど、弱らせること、もしくは時間稼ぎくらいにはなるかもしれない。
 陽茉莉は立ち上がると、全力で先ほど相澤達が消えた方向へと走る。

「待ちなさい!」

 先ほどまで気味が悪いほど穏やかだった男の口調が、荒々しいものへと変わる。

 今度は右足首に違和感を覚え、陽茉莉は再び体のバランスを崩した。

(四枚使っても、だめなの!?)
< 275 / 296 >

この作品をシェア

pagetop