今宵、狼神様と契約夫婦になりまして(WEB版)
「おはよー」
ちょうどテーブルに全部の料理が並べられた頃、悠翔がようやくリビングダイニングにやって来た。側頭部の髪の毛に途中から垂直に立ち上がる寝癖がついており、きっとそちらを下にして眠ったのだろうなと予想がつく。
「わあ、これフレンチトースト?」
悠翔はこちらに駆け寄ると、テーブルの上を見て目を輝かせた。
「そうだよ。悠翔君、好き?」
「大好き!」
悠翔は満面の笑みを浮かべる。そして、一口食べると「美味しい!」と大喜びしてくれた。
「よかったな、悠翔」
相澤はその様子に目を細めると、悠翔の頭を撫でる。
会社で時折見せる、ちょっと作り物っぽい爽やかな笑みとも違う、優しい笑顔だった。