運命の一夜を越えて
渉との初めてのデートは、車で15分ほどの場所にある映画館からはじまった。

上映している映画の中から観たいものを目を閉じてせーので指さそうと言った私たち。物の見事に同じ映画を指さした。

目を開けた瞬間お互いに笑ってしまった私たちは、同時に選んだアクション映画を観た。

少しだけ感動するラストで鼻をすする音が聞こえてきて、ちらりと彼の方を見ると、渉はスクリーンのライトに照らされて、瞳が少し潤んでいた。

こういうときに泣くタイプ・・・

ちょっぴり意外な姿に、なんだか得したような気になる私。

前に私が泣いている姿を見られてしまっているから、これでおあいこのような気もして、泣きそうになっていることに気づかないふりをしてあげることにした。

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