運命の一夜を越えて
それでも渉と一緒に北海道へ行こうと思ったのは、自分で決めたタイムリミットまで・・・のこりわずかだから・・・

最後の思い出を作りたい・・・

「彩?」
私を後ろから抱きしめたまま渉が私の顔を覗き込む。
「ん?」
「険しい顔してる」
「そんなことないよ」
「今日は早く眠ろうな」
「うん」
渉はそう言って、荷造りをしている私に変わってキッチンへ向かい何やら食事の支度をはじめてくれた。


最後の旅行と決めている北海道への旅行。
私のエゴで思い出が増えてしまう・・・

せめてもと、渉の心に、あとから思い返して苦しくなるような思い出が残らないようにしないとならないと私は自分に言い聞かせた。

楽しくて充実しているだけの旅行にすれば、思いだしたときに私も心が痛む・・・
渉だってきっと同じだ。
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