運命の一夜を越えて
病室に戻り、ベッドに横になる。

あちこち体は痛むけれど、耐えられる。
私はエコー写真をじっと見つめた。

その時。

病室の扉が静かに開いて、渉が入ってきた。

くらい顔。

絶望に満ちた顔。

いつだって私を力強く支えてくれていた渉の、こんなにも自信のなさそうな顔を見るのは初めてだ。


「見て?赤ちゃんのエコー写真、もらってきちゃった。」
空気を変えようと、渉に微笑みかける。
渉はそんな私に笑顔を見せてはくれない。
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