運命の一夜を越えて
少しだけお腹がポカポカしているように感じるのは、赤ちゃんがちゃんとここにいると伝えてくれているからなのだろうか。

そして私は自分のお腹から手を離すと、携帯電話を手にして検索を始めた。

”がん”
”小児がん 遺伝”
”がん 妊娠”
”リンパ節転移 余命”

どの言葉も自分で検索をしておきながら心に刺さる。

あまりにつらい現実が目の当たりになってしまい、私は携帯電話を机に伏せると、浴室へ向かった。
渉が掃除してくれた湯船にお湯をためて、ゆっくりと湯船につかる。

一人でお風呂に入るのなんて久しぶりだ。
いつもは渉と一緒だから。

でも、一人で買い物へ行っている渉もなるべく一人の時間が欲しいのだろうと思った私は先にお風呂に入ることにした。
< 338 / 498 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop