運命の一夜を越えて
今日はクリスマス。
席はすでにいっぱいで、ほとんどがカップルたちだった。
もっとおしゃれな場所でデートでもすればいいのに。

そんなことを思いながら通された席へ進む。

「いちを予約してたんだ。」
「・・・そうですか・・・」
先を歩くその背中の大きさに、前が全然見えない。

『ドンッ』
「ははっ、今日はよくぶつかるな」
下を向きながら歩いていた私は立ち止まった瀬川渉にぶつかってしまった。

振り向いた瀬川渉は無邪気に笑いながら私を見下ろす。

「こちらです」
通されたのは調理場のすぐ横のテーブル席。

私たちは向かいあって座った。
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