最後の悪夢

私は嘘つきだね。

凛上の隣にいると凛上のことを汚してしまいそうで怖い。それなのにこんなにも欲深い。



「ううん。迷惑じゃないなら、そばに置いてください……。一人になったら、耐えられない」


涙を拭ってから、願うように涙声でそう言う。

凛上はそれを聞くと、なんだか自信がなさそうに眉を下げて、雫が落ちて弾けたみたいに静かに小さく笑った。


「…………。はい」



迷惑なんて一言も言わなかった。
ただ一つ頷いて、黙って頭を撫でてくれた。
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