最後の悪夢


〈中止はできません〉



早かった。
もう最初から答えは決まっているとでも言いたげで、戸惑い、息を呑んだ。



「どうしてですか?」

〈自己責任です。そう紙にも書きました。親御さんにも伝えてあるでしょう? なにがあろうと中止はしません。それに無関係かどうかはあなたが決めることではありません〉

「……なにが起こっているのか分かっているんですか!? 殺人ですよ!」

〈許される範囲で行われています〉



許される?

これが許されるわけがないじゃないか。

怒りと絶望で、言葉を失った。
ただ淡々と、質問の答えをかわされている気がする。なんだ? これ。

話にならないなんて……。

ぎり、と歯を食いしばる。

なにも言えなくなって携帯を握っているだけの私の肩を、凛上が叩いた。
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