最後の悪夢
それから「携帯貸して」と言われた。
私はこれ以上なにも話せないと思い、凛上に携帯を渡す。
「もしもし、代わりました。三年の凛上です。俺からも質問があるんですが、大丈夫ですか?」
画面の向こうから声は聞こえない。
今は隣にいる凛上の声しか聞こえないのだ。
でもその凛上が唐突に、
「旭 みさきさんは辞退ができますか?」
なんて言うから、私は驚いて凛上を見てしまったのだ。凛上、なにをするの?
なんで私が?
聞きたくて尋ねようとしても、凛上が自分の唇に人差し指を近づける動作で、制された。