最後の悪夢
凛上は続ける。


「旭には正直何の得もありません。受けたとして内申はそんなに変わらないでしょう? 辞退したとしても変わらないはずです。辞退させてやってください」


ドクン、と心臓が深く脈を打つ。

こんな、ことが、あるのか。
どこまでこの人は私を大切にしてくれるんだろう......!

目頭がまた熱くなる。

私が辞退するよりも、凛上に辞退してほしいと思ってしまう。



「生徒の気持ちを考えたことがありますか? 可哀想だとは思いませんか。
なんなら俺の成績を分けてもいい」


きっと凛上は賢いんだろうな。
成績を分けるっていうくらいだから、私よりも成績いいんじゃないだろうか? オール5?

でもそれなら、どうして凛上はこの合宿に参加したのか。
< 130 / 456 >

この作品をシェア

pagetop