最後の悪夢
凛上を見て色んなことをぼんやりと考えていた私。でも電話の返答は厳しいものだったのだろう。
凛上が顔を歪めた。
「なにも罪のない人が苦しんで、間違っていると言われて、傷ついてる。それなのに俺らのせいだって言うなら、俺はあんたらのことを許さない」
痺れを切らしたような、苛立っているような。睨むように目を細めて、軽蔑するような、強い口調で言った。私は心底驚いていた。
凛上は優しいけど、怒るとこんな顔をするのか、と。そもそも怒るのかすら怪しかった。凛上はそんな雰囲気があったから。