最後の悪夢

上っている途中に目眩がして、足を止めた。視界が不自然なぐらい揺れていた。

……?


前から感じていたけれど、この体の不調は一体なんなのだろう?


休んでいる場合ではなかったけど、歩くペースを下げて慎重にならざるを得なかった。なんだか気分もあまりよくないような。

バイオリンの音が、どこかから聞こえる。しかし階を上がれば、それは遠ざかって。下の階から聞こえていたのだと気づいたその時。



「あ」




ちょうど上から降りてきたシオンと出会った。
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