最後の悪夢


その瞬間とてつもない安堵に襲われた。気が抜けそうで、体の力が抜けそうで。


「ん?」

「会えた。よかった……」


思わず笑ってしまった。


「どうしたの?」とシオンが、大袈裟だと言いたげな顔をして尋ねてきた。

気を許しすぎにもほどがあるか、と思い首を横に振る。シオンは一人だった。


正直それを期待していたなんて言えないけど。シオンと一緒にいたいと思った。

寂しいから?

怖いから?
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