最後の悪夢
教室に戻ると、生徒はいなくなっていた。
私も片付けをして帰ろうとしたのだけれど、不意に、後ろに気配を感じて振りかえって。
「……?」
誰もいなかった。
誰かがいたような気がしたんだけどな。
鞄を肩から下げて教室を出る、と、廊下を走っていく人影が見えた。私は気にせずそのまま下校する。
部活も引退してやることは勉強のみとなった。
今はただ勉強に専念するだけ。
「ただいま」
家に帰ると、誰もいない。
母親も父親も仕事で家を出ていた。
父親が帰ってくるのは夜遅く。母親も今日は仕事が、長引くと言っていたっけ。