最後の悪夢

「凛上、部活やめたの?」



同じ長距離走の選手の花巻に聞かれた。あのときなんて答えたっけ。


俺が陸上部をやめたという噂は瞬く間に学年中に広がった。

俺を見る目は痛いぐらい優しかった。お前は頑張りすぎだよ、と誰かに言われた。俺は「なんでだよ」と笑い飛ばした。


マジで言ってる?

頑張りすぎたら報われなくなるの?

じゃあなんのために頑張ってたの?



誰かに慰められては笑い飛ばした。
なんで慰めて傷を抉るようなことをするんだろうな、って。

俺の中でずっと、なにか黒い感情が渦巻いていた。
< 241 / 456 >

この作品をシェア

pagetop