最後の悪夢

私は勉強できる。


それだけが私の取り柄だから、絶対失ってはいけないんだと、ずっと思って今まで、勉強してきたけど。

ペンを持つ手が重くて動かない。
停滞。まさしく今がそれに相応しい。


私は今を乗り越えなきゃいけないから、合宿に参加したいんだ。それなのに先生は、なにも分かってないんだ。



……そう。

本当の私のことなんて誰も知らない。

私がやりたいこと、言いたいこと。全部誰も知らない。そういうものは邪魔だ。

母も父もいい人だから、私もいい人でいなければ、家族でいる意味がない。
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