最後の悪夢
シオンは照れたように、呆れたように笑った。
私はなんて声をかけたらいいか分からなかった。言葉が出てこなかった。
「鬼、大丈夫そう。よかった」
シオンがしばらく見つめていた階段の踊り場から、ようやく目を逸らした。
深紅のカーペットに手をついて立ち上がる。凛上も立ち上がった。シオンを二人で見ていた。
何故か、彼女から目が離せなかった。
言いたいことが沢山あるよ。
凛上が助けてくれたんだって。
ゲーム、辛かったけどなんとかここまで頑張ったんだって。シオンもそうなんでしょう?