最後の悪夢



腕時計を見たら、針は3時前を指していた。
もう三十分近く歩き回っていたのか。


あと一時間。……一時間もある。

それでも生きていられることが嬉しくて、ゲームの棄権のペナルティからもなんとか逃れて。死ぬんじゃないかって思ったから本当に怖くて。

涙が込み上げてきた。私はもう我慢せずに静かに泣いた。


私達の前に立っている彼女。



「花巻」




凛上が唐突に名前を呼んだ。

でも......そうだよね、うん、嬉しかった。シオンがまだ生きていてくれて。シオンが振り向くと、また涙が溢れてきた。
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