最後の悪夢

お腹に触れた手のひらにもべったりと鮮やかな赤がつくほどの、大量出血。なにかで押さえないと、と気が焦る。

ただシオンは、いつもより不安そうな私達を見て、可笑しそうに吹き出すと、なんともないように、笑った。


『あははは! 二人してなんでそんな心配すんの。ホントにそんなに痛くないんだって。自分でも怖いんだけどさ』



ゲームのことを話すときも、悔しそうだったけど、全然辛そうじゃなかった。

電話の時も隠した。
だからこうやって会うまでシオンの状態に気がつかなかったんだ。



なんでこんなに平気でいられるの? そう聞きたくなるくらい、シオンは平然としていた。顔色は悪いのにいつも通りの振る舞い。

なにが本当なのか。シオンはどうして笑うのか。



『俺は本気で心配してんだよ』



凛上が、少し低い声で、怒ったように言った。
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