記憶の奥の怪異
「桃はさ、"丑三つ時"って知ってる?」

「たしか.......深夜二時ぐらいのことだよね?」

「そう!その丑三つ時に学園内にいてると..」

「いてると.......?」

女子が桃の耳に口を近づける。

「"丑三つ宴"に巻き込まれるらしいよ」

「丑三つ宴....?」

いまいちピンときてない桃に、女子が続ける。

「丑三つ宴って言うのはね...」

その女子曰く、丑三つに行われる怪異達の宴らしい。

「それじゃあ、字の通りってこと?」

「そう!こういうのは私じゃなくて桃しか出来ないから言ったの!」

「まあ.......そうだね」

桃は中学の時に両親を亡くしており、身寄りが居ない。

だから、桃なら夜中まで学校にいれるのでは?ということだ。

(ちょっと気になるなぁ.......丑三つ宴って....)

「今日にでもやってみようかなぁ....?」

その言葉に、女子はまた目を輝かせた。

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