素直にさせないで




「ミニバスのくせにいつからそんな(くだらない)制度作ったの?先生がこんなの許すんですか?」

「ついこの間よ。不破君が作ったの。」


「はっ?!!」

「この前の東海大会優勝したら、俺様専属マネージャーを作りたいって先生に申し出て。」
「そうそう。それで全国大会頑張れるんならスタメンメンバーだけならいいぞって、面白そうにお許しでて。」

「あたおか…」
私は思わず小声で呟いてしまうと、
「「「え?」」」
三人は不思議そうにこちらを覗き込んでくるが・・・
「ううん…なんでも…あはは」

あんたらもそんなの選ばれて嬉しいわけ?同等、頭おかしいんじゃないの?と思わず口にしてしまいそうになるところへ


「おおっ!やっぱり新川が不破のマネージャーかっ!!」

やってきたのは、うちの学校のミニバスのコーチの山崎先生(男・35歳)だ。

「違います!私は絶対、不破のマネージャーになんかなりません!!」

「なんだよー新川っ、なってやれよ!不破はお前に応援されたら嬉しくて仕方ねぇだろう!」
あっははっと面白おかしく笑うのは、学校一温厚な山崎先生だ。
強豪のミニバスの指導者というと厳しく鬼のようなイメージがあるが、先生はほぼ怒らず生徒の気持ちを第一に考え優しく見守る人だった。

「大体先生甘くないですか!?小学生のくせに生意気に専属マネージャーをつけるなんて!!不破の言いなりになんかなったら益々調子に乗りますよ!?」
「あはは。それで頑張って優勝できるならいいじゃないか。」

噂通りなんて能天気な先生・・話にならないな。


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