素直にさせないで
「とにかく!!私は無理です!第一、私来年受験だし、マネージャーなんかしてる場合じゃ…」
「ああ、お前が志願してる名古屋大付属女子中だろ?」
「はい。」
「あそこ受けるんならば、尚更うちのマネージャーしてた方がいいんじゃないか?」
「は?!」
「うちのミニバスは愛知、東海どころか、全国ナンバーワン争いなも加わる程の有名小学校だ。そのマネージャーをしてたなんて、内申でかなりの高得点貰えそうだがな。」
「え・・・。」
「あの女子中は、スポーツも盛んだからな。新川自身がスポーツで何か肩書きがつけばいいけど、お前運動は・・・」
「う・・・」←運動はいたって並。
「これから練習試合だから、やるやらないはともかく、とりあえず見ていけよ。なっ?」
結局いいように話を持ってかれたような気がするが、私は絶対にマネージャーなんか、
しかもアイツのマネージャーなんかするつもりは…
ザバッ!!!
バッグボードにボールを物凄いスピードで力強く打ち付けると、リングは勢いよく震えるように揺れて、ネットに吸い込まれてく凄まじいシュートを放ったのは、
あ、不破だ。
「リング近っ…凄いジャンプ力…」
一瞬で、リングまで飛んだように見えるくらい、リングに手が届きそうなくらいの高さのあるジャンプに私は目を見開いて驚いた。
額に汗を溢し無我夢中で誰にもボールを渡さないっていうのが伝わるくらい、剥き出しの闘争心でリングを目指す、いつも以上に鋭い眼差しは…やられたら絶対に奪い返すという野生の目だ。
誰がボールをくれてやるか、という激しく身体をぶつけてくパワーは、あのデカイ図体に普段持て余した力を存分に振り落としてるような気がした。