自分の恋より、他人の恋
その返しさえも自信満々で、彼の言う事は確かに当たっている。
小学生のあの日から伸ばし始めてそれから整える程度にしか切ってないから、中学の子も高校の子も誰も私の素顔なんて知らない。
そもそも興味がないと思うけど。
でも、時雨さんは今もだけど何度か見たことがあるからこの学校で素顔を知ってるのなんて彼しかいない。
「貴方以外に見せたことなんてないですよ」
「これからもそうして」
「そうするつもりです」
彼の問いに即答すると満足げな顔を見せた。
最近こういう顔、よく見るような気がする。そんなに嬉しいのかな。
嗚呼、でも私も時雨さんが私にしか見せない顔があったりするから分からないわけでもないかも。
他の人には意地悪しないのに私にはするところとか。
綺麗な寝顔とか、たまに赤くなるところとか。
きっと、私しか知らない彼の一面だ。
「じゃあ寝るから、起こして」
「え、また寝るんですか」
また目を瞑ってしまった時雨さんはすぐに寝息をたてた。
早寝にもほどがある、どれだけ眠かったの。
「おやすみなさい、翔和さん」