契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
 幾度となく愛された身体は冷めることなく、朝に目が覚めたときもその熱は身体中に残っていた。と言っても数時間しか寝ていない。いや、寝かせてもらえなかったのだ。
 
 隣で寝ている大吾さんが寝返りを打ち、その手が私の素肌に触れる。思わず身体がぴくんと跳ね、同時に昨晩の出来事を改めて思い出してしまい、ギュッと掛け布団を掴み顔を覆い隠して恥ずかしさに堪えた。

「朝っぱらから、なにをしている?」
 
 突然背後から寝ていたはずの大吾さんの声がして、慌てて掛け布団から顔を出し振り返る。

「大吾さん、いつから起きていたんですか?」
「そうだな、八重が起きる少し前だな。急にもそもそしだすから、しばらく様子を窺おうと放置していた」
「放置って、ひどい……」
 
 そう言って唇を尖らし、不機嫌に眉をしかめて見せる。でも大吾さんは私を見て笑うばかりで、相手にもしてくれない。



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