一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
特に資格もないし…


恥ずかしいけど、平凡な大学でそこそこの成績だったから…


『面接はいらない。もちろん英語力も必要ない。俺が人事に話しておくから。保険のノウハウを知り尽くした、信頼出来るしっかりしたベテランを付けて勉強させてやるから。安心して仕事すればいい』


人事に話しておくって…


紅月さんに、そんな権限あるの?


もしかして、この若さで課長さんとか部長さんとか?


『これ、名刺』


そう言って、サッと名刺入れから取り出して、1枚私に渡してくれた。


『ベストライフ…この会社、めちゃくちゃ大手の保険会社じゃないですか。紅月さん、すごくエリートなんですね…って、え!!』


私は、名前の右上に小さく書かれた役職名に思わず驚嘆した。


『これって…ふくしゃちょうって読むんですよね』


バカ過ぎる質問。


『他に読み方があるなら教えて』


ちょっと鼻で笑った。
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